2階からの観戦もいいぞー! ~V-プレミアリーグ2016-17 観戦記(3)

年々レギュラーシーズンが短くなってる気がするV-プレミアリーグ、今回はとどろきアリーナにやってまいりました。
このところのとどろきアリーナはなかなかアリーナ席のチケットが取れず、個人的には珍しく2階指定席での観戦となりました。
が、観戦するにも撮影するにも、1階アリーナ席より2階スタンド席のほうが見やすく撮りやすいということに気づいてしまいました。
相対的に低い1階アリーナだと、審判だったりがどうしても邪魔になることがままあるんですが、2階だとそういうことがなく、かつ、見下ろすまではいかないちょうどいい高さで、どこぞのバレーボールマンガのコーチじゃないですが「バレーボールは常に上を向くスポーツ」ゆえに、トスに合わせてジャンプしてスパイクを打つその一連の流れをきちんと撮れるんですね。

この日の第1試合は、正セッターと監督が今シーズンから交代したトヨタ車体クインシーズと、今季での引退を発表している木村沙織を擁し、菅野総監督が監督に戻った東レアローズの1戦。

伝統的に、組織と根性のフロアディフェンスで拾って、外国人の打ち屋に点を取ってもらうというスタイルが特徴的なトヨタ車体は、去年に引き続きポリーナ・ラヒモアがその任に当たり、困ったときのポリ頼みスタイルは、セッターが藤田夏未から比金桃子に変わっても受け継がれています。開幕のころはもうちょっと散らす意識あった気がするんですが、早々にポリーナクインシーズになりました(笑)。
また「コート上の闘将」竹田が今季はスタメンに入ることが減ったものの、そのキャプテンシーは健在。

一方東レは、攻撃陣は決して悪くはないものの、組織的なブロックに弱さがあり、そこに起因してフロアディフェンスも脆さが出て競り負けるというパターンがここまで多く出てしまっています。木村沙織のスパイク決定率がやや低下してしまっているのも気がかりなところ。

この日もその傾向は変わらず、東レは一発で仕留められないときの失点が多め。まぁそれは拾われると身長198cmのポリーナ砲が飛んでくるからなんですが。ポリーナとて完璧超人ではないんでミスもするんですが、ミスよりも得点がめっちゃ多いので問題ないんですね。
競った試合になったものの、要所でポリ砲をぶちかましたトヨタ車体がセットカウント3-1で勝利を収めました。・・・しかしこれ、外国人スパイカーでハズレを引いたりケガされたりしたらどうすんだ。藤田イズムの継承者、楚々とした見た目とは裏腹に実はアツい平松のおもしろジャンサでどうにかなるものじゃないぞ(笑)

で、第二試合。NECvs岡山。今シーズン、とどろきアリーナでのホームゲームはこの週末だけなので是が非でも勝ちたいNECでしたが、第一セットはニュータイプ部隊と化した岡山シーガルズの守備の前に、スパイクもフェイントもことごとく拾われる展開。なんと第1セットを14-25というあるまじきスコアで落としてしまいます。

しかし、ニュータイプタイムが続くかといえばそうもいかず、第2セットからは落ち着きを取り戻したNECの攻撃陣が躍動し、3セット連取で3-1の勝利となりました。
柳田、近江、古賀、島村(大野)にうまく散らしたセットアップで狙いを絞らせなかったのが勝因でしょう。突出した高さがないどころかNECは伝統的に小柄で器用なスパイカーが多いので(高橋みゆき、内田暁子など)、そういうセッターでないと波に乗れないんですよね。昨期からは古賀という180cm級スパイカーがいますが、近江は171cm、柳田に至っては168cm。ただ、柳田はジャンプ力が高く、最高到達点で言えば古賀と2cmしか変わらず、ブロックアウトを狙える技術力の高さも魅力です。近江はさらに盤石の守備力を誇り、文字通りNECの屋台骨です。

それだけに、昨シーズンはスタートダッシュをかけたかった時期に柳田が手のケガ、終盤に近江のケガで失速した感はありましたが、今季はいいセン行くんじゃないでしょうか。ただ、古賀はもうちょっと若さにまかせた勢いみたいなものが欲しいです。印象なんですが、フェイントが多い気がするんですよね。器用さよりも、チームを勢いづける突破力みたいなものが欲しいんですよねー。