大飯食らいのキヤノンミラーレスがヤバい!
未来がないことが決まったCFast2.0カード、在庫一掃セール的なアレで半額とかにならんかな。そんなことを考えながらこのポストを書いています。こんにちは。そして現在覇権を握っているSDカードの次世代規格、SDExpressは先行するCFExpressに勝てるのか。キヤノンもニコンもハイエンドにCFExpressを選んじゃったけど。
そういう意味では、ソニーの現時点のハイエンド、α9IIがUHS-2対応とはいえSDXCカードのみを選択したのは面白い。キヤノンもニコンもミラーレスではソニーへの挑戦者でしかないから。
ただし、ソニーも動画に思い切り振った最新のα7S IIIではCFExpressをチョイスしたわけで、SDExpressはかなり旗色悪いです。またもハイエンド市場の切り崩しに失敗したSD規格っていうのが現実になりそう。
舌の根くらいは乾いただろうか
さて。「それでもEOS R7を待つよ!」みたいな記事をついこないだ書いておいてなんなんですが、ミラーレス一眼に慣れていないのにα7という強大すぎるライバルに追いつこうとなりふり構わぬパワーゲームを仕掛け、EOS R5/R6という「真のEOS R」を出したまではよかったんですが、わりと大きな落とし穴があって、それがそこそこ致命的だったんでミラーレスはもう1世代待とうかという気になってきたよ、という記事です。
テクはすごいけどすぐイっちゃう子
マーケティングに長けた会社が作っただけあって、EOS R5/R6というカメラはキャッチコピーやスペックシート上は実に魅力的な機械でした。8K RAW動画撮れるよ! メカシャッターで12枚/秒撮れるよ!ボディ内手ブレ補正はいきなり5段だ!レンズと合わせて8段だぞ8段!EVFも超高精細!みたいな、実に派手な空中戦が繰り広げられました。
しかし、あまりにパワーあふれるスペックを実現させたあまりに電力消費が激しくなりすぎ、気持ちよく連写したい勢にとっては、事実上バッテリーグリップ+予備バッテリー4本くらいは最低でも欲しくなるという厳しい機体に仕上がってしまいました。
まるで、久しぶりにアムロとガチバトルできた嬉しさのあまりはしゃいだシャアが拡散メガ粒子砲を使いすぎてパワーダウンしてしまったサザビーのように。なおここからシャアはいいところなくボコられていきます(不吉)
ながったらしく逆襲のシャアでたとえてみましたが、要するにバッテリーがやたら保ちません。これはどうやらキヤノンも自覚はあるようで、「光学ファインダーや撮影可能枚数にこだわる人は5D系や6D系を使ってもらって」と、暗に第2世代ミラーレスが電気食いであることを認めています。だからといって5D MarkVや6D MarkIIIが出るわけでもないところがやるせません。
実はバッテリー容量そのものは、EOS 5D MarkIVより容量が大きいものなんですが、それで撮れる枚数はといえば半分以下。
確かに今までのミラーレスはEVFが欠点でした。スマホの画面見習えよといいたくなるほど粗く、ピントの山がつかみにくく、フレームレートも高くなく、なんだか妙にギラついていて、あまつさえ遅延さえごくわずかにありました。
それに比べてEOS R5はEVFのドット数もかなり高く、フレームレートも最高120fpsとこれもスペック上は実に派手な数字です。でも、その代償がレフ機の半分も撮れないスタミナというのではあまりに悲しい。
去年までのフラッグシップ機がR6と同じくらいの額で買える!?
スタミナのことを考えていたら、ここであることを思い出しました。
今月末からデリバリーが開始されるEOS R6は、現行のフラッグシップ機であるEOS-1D X MarkIIIのセンサーを元に作られていて、そのEOS-1D X MarkIIIは東京オリンピックに合わせて開発され、今年出たばかりの最新鋭フラッグシップ機です。
すでにプロカメラマンやお金に余裕があるハイアマチュア層は買い替え始めていて、それまでのフラッグシップ機、EOS-1D X MarkIIが中古市場に流れ始めています。
EOS-1D X MarkIIIの16枚/秒には及ばないもののEOS R5/R6を凌ぐ14枚/秒の超高速メカシャッター、ゆとりある2020万画素フルサイズセンサー、プロフェッショナル仕様の問答無用なAFセンサー、過酷な状況にも耐える防塵防水、縦グリップ一体型、超大容量バッテリー、威圧感満点のルックス、筋トレにもってこいの重量感、そして高額な修理料金。まさしくプロの仕事道具です。
思えば、わたしの一眼レフデジタルカメラ史はEOS D30に始まり、EOS 20Dのあとに使っていたのが中古のEOS-1D MarkIIIでした。その次が、いまも使っているEOS 7D MarkIIで、ごく短期間使ったEOS 5D MarkIVを経て今に至ります。
なので、EOS-1D系を使ったことはあるので、それはまぁありよりのありです。
だいたいキヤノンはメニュー画面のインターフェースが昔からあんま変わらないし操作系もハイアマ向けモデル以上は概ね同じなので、たとえばα7RIIIあたりに乗り換えるのに比べれば機種転換訓練はあっという間です。
唯一かつ最大の問題点はCFastという「終わった」記録メディア
ではEOS-1D MarkIIのセコハン機で決まりかというとそう簡単な問題でもありません。修理コストとか発売から4年ということでシャッター寿命が個体によりばらばらというのももちろん、採用している記録メディアが「コンパクトフラッシュ+CFastカード」というところです。
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CFastは、コンパクトフラッシュの次世代規格として策定された記録メディアの規格で、コンパクトフラッシュを上回る高速さがウリで、拡張に拡張を重ねてきたコンパクトフラッシュから足回りを一新して次の世代を担うハイエンドメディアになることを目指していました。また、コンパクトフラッシュからはもうひとつ「XQD」という規格も生まれており、コンパクトフラッシュ規格から派生したふたつの規格がハイエンド市場におけるメモリーメディアの覇権を争うことになりました。
4年前、EOS-1DX MarkIIと同時期に発売されたニコンの前世代フラッグシップ機の「D5」はXQDを採用し、CFastを採用したキヤノンと鎬を削ったわけですが、4年経った今、次世代メモリーメディアの覇権争いがどうなったかというと・・・
Canon EOS-1D X MarkIII:CFexpressスロット×2(XQD非対応)
Nikon D6:CFexpress/XQDスロット×2
SONY α7S III:SDXC+CFExpress
と、どちらも生き残れませんでした。かろうじてニコンのD6がXQD対応を残していますが、これはCFExpressがXQDと形状が同じで互換性が持てるように設計された規格だからです。キヤノンはXQDに対応しませんが、これは以前の機種で採用していなかったため「以前の自社の機種で使っていたユーザー」がおらず、機材の連続性を配慮する必要がなかったからかもしれません。ニコンから乗り換えてくるような変人なんてほとんどいないことをキヤノンはようく知っています(笑)
規格としてはCFast、XQD、そしてコンパクトフラッシュも廃止にはならないとのことですが、業界として後継規格をCFexpressに一本化した以上、旧規格に力を入れるとは思えず、メーカーが値下がりをしていく状態にもないので、在庫一掃セールでもなければ安価に入手することは難しくなっていくのではないでしょうか。ただ、いきなり入手不可能になることもないと思うので、向こう4年使うぶんには入手性は大きな問題ではないと思います(4~5年経ったら型落ちして安くなったEOS-1D X MarkIIIに乗り換えりゃいい)。
ただ、未来のない規格が積極的に開発されることもないので、新製品の発売、特に大容量化や低価格化の望みはほとんどありません。フラッグシップ市場向けで数量が出るメディアではないということもあり、128GBのカードで2万円を超えるプライスタグがついています。高速連写機の宿命としてメディアの消費が早くなるだろうことを考えるとコスト面で不安が残ります。まして「次」の機種で使えないことを考えると事実上専用メディアとして使わざるを得ません。
いやそんなこといったって、一日にどんだけ撮るつもりだよと言うかもしれませんが、同じ2,000万画素、連写速度が最大10枚/秒しかないEOS 7D MarkIIで300GBくらいなら行くことあるんすよ。
なにしろEOS 7D MarkIIの高感度JPEGは控えめに言って使い物にならないゴミ画質なので、全部RAWで撮ってるんでそういう量になるんです。
結論:記録メディアに大きな問題を抱えるもEOS-1D X MarkIIは有望な選択肢
というわけで、いろいろ検討を重ねた結果、現時点でのベストプラクティスはEOS-1D X MarkII(ただし運用コストに課題を残す)ということになりました。
特に、使い回しも潰しも効かないCFastカードは大きな問題です。製品数も少なく、安心のトランセンドでさえ256GBのCFastカードが32,000円ほどと、同容量のコンパクトフラッシュの倍近い値段がします。
ちなみに、SDXC/UHS-2で最速クラスを誇るProGradeの256GB SDXCカードで12,000円ほど。やっぱり小さい市場向けだと高い。ここをなんとかできれば具体的な検討に入れるんですけどね。ああ、しかしフルサイズ対応してるレンズがEF 70-200mm F2.8L IS II USMしかないから1.4xテレコンも導入したり、いくらなんでも標準レンズくらいとか超広角もとか対角魚眼楽しそうとか言い出すとキリがありません。
で、こういうことを考えてるときが一番楽しいという(笑)
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