今シーズンは日立リヴァーレが要チェックや!

東京体育館に、V-プレミアリーグ東京大会。
対戦カードは東レアローズvsJTマーヴェラス、日立リヴァーレvsNECレッドロケッツ。

基本的にはホーム&アウェイ方式で戦うV-プレミアリーグながら、東京体育館をホームにできるような集客力のあるチームはいないので、いわば中立地帯ということになります。
東京でプレミアリーグの試合をやるときは、基本的にはここか代々木第一体育館、そして最近は開催していない有明コロシアムが会場になってきました。一昨年からは、ここに大田区民総合体育館がNECのサブホームとして加わっています。

この日注目していたのは、日立リヴァーレ。
長く苦しかったチャレンジリーグを、去年4月のチャレンジマッチでデンソーを破って卒業したものの、その2チームを分けたものはわずか2点でした。
そのくらいわずかな差で昇格は果たしたものの、目立った補強はなし。
仮にも企業スポーツであるため、大枚はたいて強化とか選手の引き抜きでガッツリ強化ってのはもともとありません。移籍には、所属チーム(企業)からの同意書が必要で、これが得られないこともままあります。
昇格の立役者でもあった外国人選手、ドリス・ジェニファーは同じチャレンジリーグのPFUブルーキャッツに移籍。代わりに、アメリカ代表ミドルブロッカー、ローレン・パオリーニが加入したくらい。役割が同じミドルブロッカーで、背丈も193cmと196cmなので、そういう意味では大きな違いはありません。
とはいえ、2部から昇格してきたばかりのチームというのがもともとおかしなくらい戦力の質は高く、いまや押しも押されもせぬ日本代表の大黒柱である江畑幸子、セッターで司令塔の永松幸乃、スパイカーには高橋沙織、おまけにグラチャンで正リベロを張っていた佐藤あり紗と、日本代表が4人も所属しているという豪華なチームになっていました。ほんと、なんでチャレンジだったんだろう。

しかし、今年はその江畑と永松が完調ではなく、いきなりエースと司令塔がフル出場できないという逆境にありながら、上位から下位までまんべんなく白星を重ねており、ひょっとしたらセミファイナルが見えてくるんじゃね?という今年の台風の目。
そんなわけで、チャレンジマッチから9か月でどこまで強くなったのかを見に行ったわけです。

永松に代わるセッターは、嘉悦大学を卒業して3年目の佐藤美弥(みや)。
のっけからなんですが、この子は注目株です。
第一に、高さがある(岡山シーガルズの宮下と同じ175cm!)。
第二に、レフトに頼らない(この日はライト攻撃が非常に多かった)。
第三に、マジ天使(←おい)。

おっとりとした見た目とは裏腹に強気なトスワークで、東レのディフェンスを切り裂いていく様はなんというかすごく気持ちいいものがありました。東レの中道がどっちかっていうとレフト偏重型なだけに。といっても、それは江畑が完調でないのもあったはず。江畑がバリバリ打ちまくるときにはレフトにも多く供給してくるはずです。

試合の方は、フルセットの接戦の末昨シーズンのレギュラーラウンド1位であるNEC相手に五分以上に渡り合い、、勝利をもぎとりました。
この時点で星を五分に戻し、セミファイナルも狙える位置に付けています。
Jリーグのベガルタ仙台よろしく、二部から昇格、即一部で優勝ということもありえなくは・・・いや、それはさすがにきついかな。ともあれ、今年の台風の目である日立には今後も要注意です。

一方、今シーズンのNECは波に乗れないままここまで来てしまった感があり、正セッターの秋山がけがで今シーズン絶望、新人王の近江もマークがきつくなって思うように得点できず、杉山は引退と、いまいち勝ちきれない一昨年のNECに戻ってしまっています。このまま打開できないと、チャレンジマッチがちらついてきてしまう時期にさしかかっており、なんとか奮起を期待したいところです。

チャレンジマッチといえば、今年はチャレマ常連の上尾メディックスはさておき、去年涙の降格となったデンソーエアリービーズがおそらく再昇格を狙ってくるはず。現在チャレンジリーグ2位のデンソー、このままだとプレミアリーグ7位のチームと当たることになるわけですが、はたしてどうなるか、こちらの動きも要注目です。