久光製薬スプリングス、2連覇!

今年のV-プレミアリーグの女子の全日程が終了しました。
優勝したのは、女王久光製薬スプリングス。連覇ということになりました。

セミファイナルではまさかの0-3のストレート負けと、大丈夫かなと思わせる展開がありましたが、きっちりと修正しきってセットカウント3-1で押し切りました。
1セット取られてはいましたが、終始久光製薬ペースで試合は進んでいました。

サーブで相手のレシーブを崩して、苦しまぎれの攻撃をブロックでたたき落とすという、基本に忠実なプレイを徹底し、なんとブロックが16。うち、岩坂だけで10ものブロックを記録するという結果となりました。観戦していても、ブロックしまくってるなーとは思っていましたが、数字で見ると凄みさえ感じます。
岡山も善戦はしていたものの、持ち味の粘りを発揮することもままならず、オプション豊富な久光の攻撃の前になすすべなくなんとなく負けてしまいました。初の優勝決定戦はやはり甘くはありません。

3位決定戦は、東レの勝利。
相性がよくないトヨタ車体クインシーズ相手に、序盤はかなり点差が離れることもありましたが、リベロからスパイカーに戻った小平や、攻撃オプションが増えたことで迫田へのマークが徹底しきれなくなったところで気持ちよく叩き込まれ、終わってみれば迫田のスパイク決定率はウィングスパイカーでありながら45.5%という驚異の数字を叩き出しました。

要因のひとつに、リベロがリベロをやるということがいかに大事かということがありました。
今季の東レアローズは、濱口が引退したあとのリベロを、本来はウィングスパイカーである小平花織がやっていました。守備力に定評のある小平をリベロに据えるという選択だったわけですが、これは正解ではありませんでした。

リベロは守備力だけではなく、チームの陣形を含めた守備のディレクター的な役割が求められます。拾うのはうまいけど攻撃参加ができないウィングスパイカー。それ以上でも以下でもないというのが今季の小平だったように思います。これは別に小平を批判しているわけではなく、彼女の使い方として正しくないということです。ウィングスパイカーとしては小柄ながら、高い運動能力と技術的な引き出しの多さから、攻撃面でテクニカルなプレイができる選手であり、守備専属にさせておくのはもったいないなぁと思っていました。昨年のJTでも、故障した井上選手の代わりに千葉選手をリベロに置いていましたが、あれもうまくいきませんでした。守備がうまいというだけでは攻撃のできないウィングスパイカーであって、リベロではないんですよね。

そんなわけで、今日の東レアローズは、今季いまいち波に乗れなかったころのアローズではなく、どこと対戦してもいい試合ができるアローズになっていました。最終戦でやっとその形になったというのはちょっと残念ですが、木村のさらなる成長で守備が安定して一皮むけたアローズになってくれることを期待しておきます。

対照的に、トヨタ車体クインシーズはベテラン矢野のクイック、藤田+平松の超高速ブロードなど見せ場は作ったものの、課題だったウィングスパイカー陣が力を発揮できず、アローズの二見に7ブロックを献上するという結果となりました。粘りきれず、攻めきれず、毎セットすごく惜しいところまでいくものの押し切れず詰めが甘い試合になってしまいました。とはいえ、初のファイナルラウンドで、経験豊富な東レアローズを相手にここまで競った戦いができることはポジティブ要因。来シーズンのさらなる飛躍に期待したいですね。

カナニ、残ってくれるかなぁ。
セット間やサブと交代したときの冷却風景はもはや風物詩です。

なお、ファイナルの模様はいずれFlickrのほうに上げますのでお楽しみに~。