大黒ふ頭西緑地でベイブリッジとみなとみらいの夜景を撮ってきた

2019年4月30日

横浜の海運を支えた連絡橋、ベイブリッジ

横浜ベイブリッジは、平成元年(1989年)に開通した真っ白な橋です。 みなとみらい地区にランドマークタワーやクィーンズスクエアを中核とする商業施設ができるまで、デートスポットとしてカップルがこぞってクルマを止めていたという、横浜の人気スポットでした。

EOS 7D MarkII + EF24-105mm F4L USM
港の見える丘公園から

そんな横浜ベイブリッジの大黒ふ頭側(埋め立て地側)にはかつて、橋桁の下部にひっつくようなカタチで「横浜スカイウォーク」という展望施設がありました。施設の老朽化と周辺開発の失敗から入場客数が大幅に落ち込み、2010年に施設は閉鎖されたのですが、近年再整備が行われ、2019年4月からの再始動が予定されているそう。

それに先駆けて、隣接する「大黒ふ頭西緑地」が2018年4月から再オープンしており、夕方になるとベイブリッジだったりみなとみらい市街地だったりを撮影するためにアマチュアカメラマンが集まってきます。あと釣り人も。

大さん橋ふ頭にも夕方近くになるとたくさんのカメラマンが三脚を並べますが、大黒ふ頭西緑地は交通の便がよくないこともあり、いるにはいますが、大さん橋ふ頭ほどの混雑ではないスポットです。

今回、そんな大黒ふ頭西緑地に行ってきました。

EOS 7D MarkII + EF24-105mm F4L USM
富士山に沈む夕日が撮れるスポット

横浜側から行くならバスの時間に要注意

大黒ふ頭西緑地に横浜側から行く公共交通機関は、横浜市営バス109系統しかありません。 バスそのものは横浜駅からも出ているので、それに乗れば問題なく行けますが、注意したいのが運行本数。

なにしろ需要がここで働く人と少数の釣り人ならびにアマチュアカメラマンくらいしかいないので、本数が少ないのです。それでも、平日はここで働く人のためにけっこうな本数が出ており、夕方5時台と6時台は一時間に7本と驚異の密度で運行されています。

ただ、土日は別。

横浜駅から、大黒ふ頭西緑地の最寄り停留所である「スカイウォーク前」に出ているバスの本数は、平日なら一日あたり23本なのですが、土曜となると10本、日曜に至ってはわずか6本にまで減ります

なにを撮りたいかにもよりますが、たとえば夕暮れのオレンジアワー~ブルーアワーを撮りたいのであれば、遅くとも日没の30分前には現地にいなくてはなりません。 所要時間を踏まえて、乗るバスを決めておくことをおすすめします。

7月ごろにかけて日没の時刻は遅くなっていきますが、今度は終バスの時刻という、より深刻な問題が発生します。いやいやヨコハマでしょ? そんなに早く終バスになるなんてバカな、と思うかもしれません。

ところが、日曜の終バスは、なんと19:18

夏であれば、日没から20分と経たずに終バスが行ってしまいます。土曜でも19:30が終バスですので、夏季は撮影後に横浜方面へ帰ることはあきらめたほうがいいかもしれません。もちろん、タクシーなんていうものは流していません。

なお、横浜方面ルートとは別に鶴見駅方面ルートもあり、こちらなら土曜の終バスが20:14。バス停まですこし歩くことになるので、日没から30分くらいしか余裕がないのですが、こちらならまだなんとか…ただ、日曜となるとこっちも終バスは19:33と横浜駅ルートとあまり変わりません。

やっぱり公共交通機関利用者は日曜に行くのはやめたほうがいいようです。
というか夏に行くことそのものが無謀なレベルかも。
夏なら歩くという手もなくはないですが、スカイウォーク前から京浜急行生麦駅までは距離にして4.7km。重い機材背負ってそれはツラいです。

EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm EX DC HSM

海風はかなり冷たい

大黒ふ頭西緑地は、かんたんな柵の向こうはもう海です。なので、満潮近くともなるとざばーっと波が飛んできます。カメラ本体やレンズはもちろん、三脚にも塩は大敵ですし、なにより体にかかると冷えます。

そして、海風は思っている以上に強く、冷えます。 春先の季節に行かれる方は、ウィンドブレーカーのような風を凌げるものを持っていきましょう。
いやほんとマジ寒かった。

EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm EX DC HSM
青いライトアップは毎時20-30分と50-00分限定
EOS 7D MarkII + EF24-105mm F4L USM
ブルーアワーの横浜ベイブリッジ

風に耐えられる三脚があったところで本体がぐらつく

撮影に行った日の横浜市の風速は予報でおよそ5km/h。やや強めといったところですが、夕景~夜景を撮る人ならご存知の通り、強い風は夜景撮影・・・より正確に言うなら長時間露光の敵ですね。

手持ちの三脚では耐えきることは難しかったので、ISO感度を上げたり、絞り値を上げすぎないようにしてシャッタースピードを稼ぐようにしました。20秒だの30秒だの静止状態を保つことは不可能です。5~8秒程度までにしましたが、これでもブレブレ連発。手ぶれ補正を使いたくなりますが、こいつは長時間露光の敵その2なのでこれも使えません。

また、三脚だけ耐えられたとしても、カメラやレンズが風に煽られて動いてしまったらそれでアウトなので、三脚だけ丈夫にしてもダメですね。きちんと天候と風の状態を把握して、適切な妥協をすることも大事です。
なお、雨風を凌げる場所はないので気を付けましょう。ベイブリッジの真下は、高速道路の高架と高さが全く違うので、雨はしのげません。

EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm EX DC HSM
海面から橋桁下まで55m

どの焦点域のレンズも活躍できる楽しいスポット

ここは、みなとみらい地区の撮影のメッカである大さん橋ふ頭よりも被写体までの距離があります。ゆえに、ビル群や倉庫群のクレーンなどを大写しで撮りたい場合、35mm換算で160~200mm程度の中望遠レンズがあるといいでしょう。

ただ、たとえばブルーアワーやオレンジアワーのグラデーションに染まった空とビル群を縦位置で撮りたいなら、35mm換算で20~40mmくらいの広角~標準域も欲しいところ。 ベイブリッジのスケール感を出したいなら超広角も・・・って結局どれも欲しくなる魅惑の撮影スポットです。

EOS 7D MarkII + EF24-105mm F4L USM
三日月がアクセント

まとめ

大黒ふ頭西緑地は、ガントリークレーン好きにも橋萌えにもマジックアワーハンターにも富士山スキーにもおすすめの、とても魅力的な場所でした。

風の強さと帰りの足だけは気を付けておきたいですが、超広角~標準~望遠とすべての領域が楽しめる穴場的スポットと言えるでしょう。

EOS 7D MarkII + EF24-105mm F4L USM
明かりが灯り始める18:00ごろ