リースアップの古いノートパソコンを快適にしたい(1)
Windows7、サポート完全終了
2020年1月に、Windows7のサポートが完全に切れました。
切れたからっていきなり防御力がゼロになるわけじゃないのですぐにどうこうってわけじゃないんですが、今使ってるノートパソコンが2010年型のMacBook Proで、性能的にかなり厳しくなってきているので、買い換えようと思ったわけです。
わけなんですが、この駄文を書いてるメインPCをCore i7 2600KからRyzen5 3600Xに更新したばかりなので、ノートパソコンに割けるお金がぜんぜんありません。なので、Windows10がちゃんとストレスなく動く製品がないか探していました。
Amazonでウソみたいに安い、聞いたことのないメーカーのMacBookみたいなこじゃれた外観のノートパソコンが出ていたりしますが、あれは見た目がかっこいいだけで10年前以下の性能しかないハリボテのゴミです。
リンゴマークのステッカー貼ればドトールあたりならドヤれるかもしれないけど代償としてちっとも仕事は進みません。
なので、新品はさっさと諦めて「リースアップ品」の中古ノートに絞って、ヤフオクのストア出品によさげなのがあったので買っちゃいました。驚くなかれ、値段はたったの16,000円。しかも信頼のThinkPad。
それが届いたので紹介したいと思います。
折しもテレワークが本格的なムーブメントになり始めていて、自宅で使えるそこそこの性能のノートPCの需要が増しているようでもあるので、なにかの参考にしていただければ幸いです。
ところで「リースアップ」って何?
「リースアップ品」ってのは、企業が業務で使うために一括でレンタル導入したもので、3年とか5年のリース期間が終わると返却されます。
それを清掃・動作チェックした後、中古品として販売されるパソコンのことを指します。
かなりまとまった数が一気に戻ってきたのを清掃・整備したものが中古市場に放出されてくるのでタマ数が豊富で、リース契約って基本的に本体買うより高くつくものなので、既に元が取れています。したがって、中古販売するにあたってかなり思い切った値付けができるのでめちゃくちゃ安いわけです。
そのかわり、一般家庭で使われているものとは異なり業務で日常的に長時間使われていたものなので、使用感は相応にあるものが多いです。
たとえば、キートップがテカっていたり天板に資産管理シールが貼られていた痕跡が残っていたり。さらにモバイルノートだと外回りなどに使われる個体もあるので、ちいさなキズ、ちょっとした凹みやポートの錆なんかもけっこうありがちです。
ただ、保守契約を結んだ上で使われるので、故障は修理されていますし、どうしようもなくなったものは廃棄されます。なので、致命的に壊れたまま使い続けられることもあんまりないので、動作そのものは良好な個体が多いです。
そんな安価なリースアップパソコンをベースに、いろんなパワーアップパーツを交換したり仕込んでいったりして、現役級ノートパソコンに育てていきたいという企画です。
パーツ交換でどんどん強化していく、ミニ四駆なんかに通じる楽しさが5年前くらいまでのノートパソコンにはありました。最近のノートは軽薄を実現するため狭小空間にパーツを押し込んでるので専用設計の部品が多く、いじって楽しもうにも汎用品が使えなかったりして楽しくありません。いわんやApple製品をや。
ベース機開封の儀
というわけで、これが16,000円で買ったLenovoのThinkpad X250です。
2015年に発売された、12.5インチ液晶搭載のモバイルノートです。
ザ・業務用といった感じの、質実剛健な感じがいいですよね。プラスチッキーだし液晶のフチも相応に太かったりですがそれもまたよし。
一つ前の世代のX240はさらに安くて性能はあまり変わらないんですが、トラックパッドがめちゃ不評なのでX250にしました。
Thinkpad使うのにトラックパッドでウダウダいってんじゃねぇよと言われそうですがあの赤ポッチ好きじゃないんだよ仕方ないじゃん。
リースアップとは思えないほどの美品
まずは外観なんですが、第一印象は「え、これ中古なんだよね?」でした。
リースアップ品の常識を覆すレベルでめちゃくちゃ綺麗です。
キズもないしキーボードやトラックパッドのテカリもないし、パームレストのCore i5シールすらヨレてません。そこそこ使用されていれば少なくともキートップはテカるものですし、手のひらが常に触れるCore i5シールは汗と脂でヨレるのが普通です。
唯一、天板の角に4cm×1cmくらいの資産管理シールっぽい跡がありますが、それくらいしか言うところがないくらい状態がよかったです。もしかしたら予備機だったか、なんかの検証用だったか、閉じたまま外付けキーボードやモニタをつないで使っていたか。そのくらい「数年間使われていた感」がない個体でした。
これは大当たりを引いた可能性あります。
モバイルノートではありますが、「パワーモバイル」を謳うXシリーズとはいえX1 Carbonのような極薄モバイルノートではないので、ポート類はわりと充実しています。
左側には電源、企業向けに多いVGAポート、USB3.0、そしてminiDisplayPortです。右側はセキュリティポート、ギガビットイーサネット、SIMカードスロット、SDカードスロット、USB3.0ポートのうち右側のはPowered USBといって、PCの電源がオフでも充電ができるポートです。
いずれのポートも特に錆が浮いていたりもしませんでした。
スペックとしては、CPUがCore i5 5300U、メモリ8GB、HDD500GB、12インチのHD/TN液晶といったところです。
企業向け業務用パソコンの常として、1,366×768ピクセルというクソ解像度で、フルHDではないです。このサイズのものを今仕事で使っていますがとにかく狭いです。たぶん安いんでしょうけどストレス溜まりますよね。
とはいえ、いま使ってる2010年式のMacBook Proは1,280×800なんで、横幅がさらに狭いです。
起動時間は50秒(HDD)
液晶もすっごい綺麗で、ムラもありません。
ほんじゃまぁスイッチオン。特に問題なく起動しました。まぁストア出品のリースアップ品がいきなりうんともすんとも言わなかったらさすがにヤバイし。
起動までにかかった時間は50秒でした。
HDDにしては速いですが、これでも、SSDにすっかり慣れてしまった体にはちょっとつらいので後で交換します。
基本、中古パソコンを買ったら真っ先に交換したいパーツですね。
モバイルノートなので、採用されているCPUは低電圧版の「Core i5 5300U」。
性能は低くはないですが高くもないです。実際のところ、インテルのモバイルプロセッサは、2000番台から5000番台までほとんど性能が上がっていません。
これの次の6000番台(SkyLake)でちょっと性能が上がって、8000番台(KabyLake)でコア数が倍になった関係で急激に性能が上がって今に至ってます。なんで急にそうなったかっていうと、Ryzenが出てきたからです。ライバルまじ大事。
なので、2020年半ばあたりから6000番台を搭載したX260世代が安価に中古市場に潤沢に出回るようになると思います。
メモリは8GB。スロットは1つしかないので、これ以上に積むのであれば増設ではなく交換になります。
スペックシートの上では16GBのメモリを積むこともできますが、ノート向けの低電圧版DDR3L SODIMM/16GBは15,000円くらいしてコスパ的に終わってるのと、サブノートにそこまでのメモリはいらないかなと思うのでこのままでいきます。そういう、メモリが潤沢に要りそうな作業はメインのデスクトップ機でやります。そのためにメモリを48GB(!)まで増やしたんだし。
光学ドライブはなし
モバイルノートなので光学ドライブはありません。まぁなくても困ることはないでしょう。
内蔵ストレージは500GBのHDDで、シーゲートの7200rpmモデルが入ってました。使用時間が6,700時間と出たので、一日8.5時間×200日×4年でちょうどそのくらいになります。経過時間とメーカーからしたらいつ壊れても文句は言えません。(←シーゲートのHDDばかり壊れてる人)
なので、リース期間めいっぱい毎日使われていた計算です。それでこの綺麗さはすごいわ。キーボード交換してる可能性もなくはないですが、16,000円で売るために数千円するキーボードをわざわざ交換するだろうか。
もしかしたらこのHDD、もともとはこれに入ってたやつじゃないのかも。うーん、謎い。
そんなわけなので、基本的にはHDDかSSD一台での運用になります。が、実はX250はマザーボード上にスペックシートに書かれていないM.2スロットがひとつあったりします。
このM.2スロットはSATA 6Gbps接続で、サイズもストレージに普通使う2280ではなく通信系カードによく使われる2242なので対応するSSDは少ないし容量もいいとこ256GB程度ですが、システムドライブにするならギリOKかな。
512GBのものも出回ってはいますが、X250のM.2は相性が厳しいっぽいので、比較的相性がいいトランセンドの256GBを入れようかなと考えています。うまくいけば、OSはM.2に入れて、データドライブに1TBのSATA SSDか2TBの2.5インチHDDという構成を考えています。
今後の予定
X250は基礎性能がそこそこでモバイルにしては拡張性が高いことがウリの機種です。
標準の状態だとモニタの解像度が高くないのとストレージが速くないのが問題なので、そこを交換してやればかなり快適になると思います。
あとはバッテリーですかね。最大容量がどこまで減ってしまっているのかを調べて、減っているようなら新品に交換してやればモバイル用途にも十分使えそうです。
本格的なベンチマークは次回にするとして、今回はとりあえず変えられないCPUとメモリの性能を見ておこうということでCinebenchだけ回しておきます。
ちなみに、対戦相手になるのは2010年式のMacBook Proです。
Core2 Duo P8600という2コア2スレッドのCPUで、スコアは117でした。このMac、Cinebenchのスコアがいまいち安定しなくて、ちょっと前に計測したときは59というちょうど半分のスコアを記録しました。どのみち、確実にiPhoneより遅いです。
はっきりいって戦いになるわけがありません。100%カマセです。
X250、スコアは257と出ました。5倍弱の性能があることになります。スレッド数2倍とはいえコア数は同じなので、5年の歳月は思ったより大きかった。
次回は、ほかのベンチマークソフトで実力を図りつつ、最初のパーツ交換をしていきたいと思います。カモン、M.2 SSD。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません