おうちで空力体験

F1をはじめとするスポーツカーで重視されている空力=エアロダイナミクス。
通常のクルマでは不可能な速度でカーブを曲がれることが、F1カーの超常的な速さの秘密なのですが、これを実現しているのが空力(航空力学/流体工学)。飛行機の翼をくるっとひっくりかえした断面形状のウィングをはじめ、さまざまな物理法則を駆使して地面にクルマを押しつけて、コーナーでクルマがぶっとんでいかないようにしているわけですね。

この空力、ものの本を読んでみると、「グラウンドエフェクト」とか「ベンチュリー効果」とか「コアンダ効果」とか「ベルヌーイの定理」、「ミランダ警告」など聞いたことのない用語がじゃんじゃん出てきます(最後のはウソ)。
「ベルヌーイの定理」は高校の物理で勉強したことがあるかもしれませんが、これらの不思議ワードを聞いたことがなくても、それがもたらす効果そのものは普段の生活でも利用されていたりします。

そう、自分の部屋に窓とドアがあれば、空力の原理のひとつを体感できるのです。

今回体験するのは、「ベンチュリー効果」と「ベルヌーイの定理」。
ざっくり説明すると、「空気や流体の流れを絞ると、狭いところを通過するときに流速が上がる」というもの。ホースの出口をせまくするとだばだば落ちずに水が遠くまで飛ぶというのが身近な例です。
そして、「ベルヌーイの定理」とは、「流体の流速が速くなると圧力が低くなる」というもの。霧吹きが身近な例として上げられます。

図:F1速報PLUS Vol.24を元に作成

図にするとこんな感じ。
で、 このベンチュリー効果とベルヌーイの定理によって、レーシングカーはクルマの底と地面との間で、クルマを地面に押しつける力が発生するわけです。これをダウンフォースといいます。

で、これを部屋にあてはめるとこんな感じになります。

適当に作った雑な絵ですが、こんな感じです。
部屋のドアが重厚だったりするとこうならないこともあります。
勝手にドアが妙に勢いよく閉じることがあって、なんでだろうーなんでだろうーと思ってたんですが、わかってみれば実におもしろい。

身近にある空力のお話でした。