鮮烈デビュー!上尾メディックス

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今季の開幕戦は、土日の2日間、4戦で全8チームがお披露目されるという趣向でした。
土曜が久光・東レ・デンソー・岡山だったので、日曜は残りのトヨタ車体・日立・NEC・上尾。
どこのチームのファンであっても、どっちか1日。
特にひいきのチームがないわたしのような人は2日間両方行きたくなるというトラップが仕掛けられているわけです。

というわけで2日目はトヨタ車体vs上尾メディックス、NECvs日立戦です。

◆トヨタ車体
昨シーズン、4位に入ったトヨタ車体は、ベテランの矢野と、なぜかリベロが2人とも退部。
元上尾メディックスの庄司と、デンソーから衛藤が加入したものの、ウィングスパイカーが手薄な状況は変らず。
拾って繋いで粘って気合いと根性で勝つというスタイルも変わりなし。
この日は上尾の驚異的な粘りの前に根負けしましたが、藤田-平松のトヨタ車体名物・超高速ダイレクトラインがちょっと疎通しきっていなかったことが気がかりです。
レセプションの精度もやや低く、コンビネーションがうまく使えなかったことも苦戦した理由となりましょう。

◆上尾メディックス
デンソーと同じく昇格組です。目立った戦力強化は、なんといっても東レを寿退社した荒木でしょう。
しかし、復帰先のユニも白+青なのはなんの縁でしょうか。
その荒木、東レ時代のCワイド主体の攻撃とは異なり、さまざまなバリエーションのクイックで、変らぬ攻撃力を発揮していました。
また、このチームの攻撃の核である吉村は、なんだかおばちゃんパーマみたいな髪型で参戦。最初いないのかと思ったのは秘密だ。攻撃面では、小柄な体躯をしならせて放つスパイクでガンガンと得点を重ねていました。どんな時でも逃げずに打ち抜く姿勢は立派です。選手層も厚いので、誰かがケガなどで離脱しても穴埋めができる体制にはあるようです。

なお、上尾メディックスの経営母体は、日本のグループ病院としては屈指の規模を誇る上尾中央医科グループ。
西の徳洲会、東の中央医科グループと言われており、その規模は26病院と17の老人保健施設をはじめハンパないものがあり、ということは資金力もハンパありません。そこに、ケリー・マーフィーのようなばりばりの現役アメリカ代表を引っ張ってこれる吉田監督のコネクション(かつてアメリカ代表を率いた)があるとなれば、将来性もかなりありそうです。

◆NEC
スパイカーの内田とセッター松浦が抜け、かわりにJTからセッター山口かなめが加入。
セッターが変るとフィットするまでにそれなりの時間を要するものですが、今日見た限りでは完成度は高そうでした。
が、NECは「シーズン開始時の完成度は高いけど伸びしろがすくなくて他チームの追い上げで結果しょんぼり」がままあるので、攻撃のバリエーションをどれだけ増やしていけるかが気になるところ。

◆日立
NECの近江が、ヒロインインタビューで「チームがかなり変わり」と言っていましたが、日立に比べれば変っていないも同然です。なにしろ、こっちは監督、エースアタッカー、伸び盛りの若手スパイカー、セッターの一角が一気にいなくなっています。江畑と高橋の穴を栗原が埋められるとはちょっと思えないので、ルーキーの内瀬戸、デンソーから移籍した井上らのがんばりにかかっていきそうです。
その内瀬戸は、おそらくV-プレミアリーグでたったひとりのドライブサーブ使い(2年前くらいにトヨタ車体の日隈が打ってた気がするけど今年見た限りふつうのジャンプフローターになってたような)で、打つ度に会場がどよめいていました。まぁ、ジャンプフローターサーブ全盛で、たまに力強いジャンプサーブが見られる程度で、ドライブサーブは世界中見渡しても絶滅危惧種レベルですので、機会があれば一度見てみることを強くお勧めします。コース狙いも正確で威力も十分、見応えありますよ。