信濃町煉瓦館に秘められた建築家の「想い」
JR信濃町駅。神宮外苑の最寄り駅であり、慶應義塾大学病院や創価学会本部が近くにある駅です。
その駅の向かい、慶應義塾大学病院の敷地にレンガ造りに見える建物があります。
大学病院の敷地内に建ってはいますが、大学の施設ではなく、レンガでできているように見えるけれどレンガ造りなのは表面と裏面のみというなかなかに謎が多い建物です。
実際に入居者が使用する建物部分はコンクリート造りで、コンクリート造りの一般的なビルをレンガでサンドイッチしたような感じですね。
平成生まれの新築物件
直径25mの丸い窓のような開口部のエントランス部分が目を引くこの建物は「信濃町煉瓦館」といいます。
近年 「古い建物の一部を残して建て替えた」ケースが増えてきていますが、これは建て替えでもなければリノベーションでもない純然たる新築物件で、クラシカルな風合いとはうらはらに竣工は1995年と、平成に入ってからの建物です。
現に、エントランス部の処理はメタリックな枠組みとワイヤーにガラス張りとモダンを通り越してちょっとやりすぎ感すら漂うサイバーな質感です。
レンガというのは実は取り扱いの難しい建材で、レンガ調のタイルをコンクリートに貼り付けた「なんちゃってレンガ造り」の建物も実は少なくありません。が、これは、全面レンガ造りでこそありませんが、サンドイッチしているレンガ部分はモノホンのレンガ造りです。
レンガに魅入られた建築家の長年の想い
平成に入ってからの建物であることを示すようなモダンなガラス張りのファサードと、レンガ部分とのコントラストが楽しいです。設計を担当した清水建設の大山尚男氏は「レンガは難しい素材だけど独特の風合いが好きでずっと上手な使い方を勉強してきた。輸入したレンガが使われずに山積みにされていたのを見て使いたくなった」と語っています。
ずっと使う機会を伺いつつ、いつその時が来ても慌てないように勉強をしておくという強い想い。レンガ独特の素材感と質感に魅入られた建築家のロマンあふれる建築物ですね。
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