久光製薬スプリングスが6年ぶり3度目の栄冠

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4/13に東京体育館で行われたV-プレミアリーグ 女子ファイナルラウンドは、セットカウント3-0のストレートで、中田久美監督率いる久光製薬スプリングスが6年ぶり3度目の優勝を飾り、V-プレミアリーグ 2012-13シーズンは幕を閉じました。

今年度は、これまで苦手にしていた東レを7戦全勝(リーグ戦4勝、セミファイナルラウンド1勝、皇后杯1勝、国体1勝)と完全にカモにし、一発勝負の決勝戦でも、東レに全くバレーをさせずに一方的な展開で勝利しました。東レはやることなすこと全て見切られている感じだったことでしょう。直近7戦で勝ちなしともなると、どうやって勝てばいいのかのビジョンさえ選手にはなかったかもしれません。

3位決定戦では、NECが岡山シーガルズに敗れ、レギュラーラウンド1位のチームが最終順位4位という結果に。敗れた両チームに共通していたのは「サーブレシーブの不安定さ」でした。
今日勝った2チームのサーブレシーブ成功率はいずれも70%を超えていたのに対し、敗れたチームは60%以下。攻撃の起点たるサーブレシーブが乱れるということは、以降の攻めがどうしても無理矢理にならざるを得ず、セッターはセンター線、つまりミドルブロッカーを使った速攻だとかコンビネーションだとかが選択できなくなってレフトに放るしかなくなるため、ブロックする側は思い切った布陣を取れるようになります。逆に言うと、まともにレシーブがセッターに帰った時は、レフト以外を選択しやすくなるため、速攻への対応もむしろ容易になります。なので、荒木や宮田がほとんど仕事をさせてもらえませんでした。
バレーボールは、一般的にレシーブ側が有利とされますが、それはちゃんとレシーブが司令塔であるセッターに帰ったときの話。野球で言えばストライクが入らない、サッカーで言えばトラップがちゃんとできないようなものです。これではいくら入念に練ったコンビネーションがあっても全部無駄に終わってしまいます。

久光は、ライトから左利きの長岡、レフトからは石井と新鍋、センターは平井か岩坂という布陣に、安定したサーブレシーブに裏打ちされた古藤のセットアップが絶妙でした。フロアディフェンスも、座安を中心によく集中できていて、東レの攻撃をことごとく拾い上げ、その思いにアタッカー陣がきっちり応えるという、まさにチーム力という言葉を体現したような試合運びが見られました。