東京ゲートブリッジを撮ってきた

2022年9月2日

東京湾ブリッジ三兄弟の末弟

横浜ベイブリッジ(1989)、レインボーブリッジ(1993)に続く東京湾を象徴する巨大橋梁として2012年に開通したのが東京ゲートブリッジ。
恐竜が二匹向かい合うようなフォルムから「恐竜橋」とも呼ばれる、東京臨海副都心の新名所です。東岸には若洲臨海キャンプ場があり、週末ともなれば多くの人がキャンプに訪れ、岸壁には数えきれないほど多くの釣り人が竿を振ります。

東京ゲートブリッジ

東京ゲートブリッジは優美さとは無縁な無骨そのものの橋で、支塔から斜めにぴんと張ったワイヤーで橋桁を吊る「斜張橋」であるベイブリッジや、主塔間に張られたメインケーブルから鉛直方向につりさげられたハンガーロープで橋桁を支える「吊り橋」であるレインボーブリッジとは構造が全く異なる、鉄骨だけで組み上げられた「トラス構造」のザ・鉄橋といった趣の橋です。その建設にあたっては、「東京湾岸の新名所がそんな萌えない鉄橋というのはいかがか」という意見もあったそうですが、大きなお世話です。
そもそもこんな鉄橋になったのはそうする必然が要件としてあったからで・・・ってまぁそういう記事ではないのでカットします。

ともあれ、そんな、東京湾に新たに生まれた橋を撮りに行ってきました。

行きはよいよい帰りはこわい

東京ゲートブリッジは、湾岸埋立地のすみっこというかはじっこというか、とにかくいろんな意味で辺鄙…もとい先端にあります。湾岸といえば、ゆりかもめでなんとなくどこへでも行けそうな印象がありますが、残念ながらここへはゆりかもめでは行けません。
自家用車以外で行くのなら、りんかい線または京葉線で終点の「新木場」まで行き、そこからさらに都バスを使っていくことになります。

ところが、このバスの本数が東京23区のくせにとっても少ない。
週末の昼は多くても1時間に3本、秋~冬のマジックアワーとなると4時には着いていないと話にならないので、乗り遅れないように計画的に出かけましょう。
乗っている時間そのものは15分程度なので、行くのはすぐです。行くのはね。

停留所から撮影ポイントまでは歩いて10分程度ですし、橋の上を歩いて行けるところまで行き、戻ってきても30~40分といったところです。撮影ポイントも多いので、晴海客船ターミナルの池の前と違って撮影ポイントの取り合いにもなりません。どの角度から撮っても絵になる被写体なので、富士山と一緒に写しこめる定番スポットから、ほぼ真下から取れる突堤の先までいろいろなところで撮影が楽しめます。

ただ、帰りの足だけは気を付けましょう。夕方以降のバスは1時間1本、かつ終バスは20時台で、乗り過ごすと新木場駅まで歩くことになります。

撮影ポイント紹介

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

北側から対岸と空を多めに入れて撮ると、特徴的なフォルムと雄大な空を収めることができます。

[ Canon EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM ]
[ Canon EOS 7D MarkII + EF70-200mm F2.8L II IS USM ]
[ Canon EOS 7D MarkII + EF70-200mm F2.8L II IS USM ]

橋の北側には歩道があり、トラス構造の橋を見ることができ、また、海むこうには東京スカイツリー(634m)を見ることができます。近くまで寄るとなんだかそんなにでかく見えないことでおなじみ東京スカイツリーですが、遠くから撮るとマジくっそデカい。考えてみれば、25階建て(高さ約100m)のビルの6倍以上なんですよね。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF70-200mm F2.8L II IS USM ]

羽田空港への航路上にあるので、しょっちゅう旅客機が頭上を通り過ぎます。フルサイズ換算で300mmくらいの望遠レンズを使えばこんな感じで撮れます。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

夕焼けタイムが近づいてきたので、再度北側から撮影。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]
[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

そのまま南側へ歩きながら撮影。夕焼けの太陽を橋に重ねると網目のような隙間からオレンジの光が漏れてドラマティック。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

徐々に太陽が落ちていき、地平線に隠れていきます。年に数回、富士山に重なるように太陽が落ちる時期があるとのこと。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

日没からしばらくして、ライトアップされはじめます。いい感じのマジックアワー(オレンジアワー)でしたが、この日は厚い雲が重なってしまい、きれいなオレンジアワーになりませんでした・・・。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

完全に日が落ちてからも、ライトアップされた橋と通行するクルマのテールランプ、そして羽田空港に向かったり旅立つ飛行機の光を交えると雰囲気のある写真が撮れます。

[ Canon EOS 7D MarkII + EF 24-105mm F4L IS USM ]

帰りのバスの時間まで1時間を切ったあたりで、ちょっとづつ戻りながら撮影。これは橋と平行になる位置から撮ったもの。この直線具合がたまりません。

[ Canon EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM ]

最後に、橋の真下から撮れる場所に移動。 街灯は最低限しかないので、足元に気をつけて歩きましょう。夜釣りの準備をしている人が仕掛けをつくっているので、釣り糸を踏んだりバケツや用具を蹴っ飛ばさないように。

[ Canon EOS 7D MarkII + Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM ]

暗い中をおっかなびっくり10分くらい歩いて橋の真下に到着。35mm換算16mm相当の超広角レンズでこのくらい撮れましたが、対角魚眼ならもっとすごい絵が撮れるような気がします。

バスの到着まで20分を切ったところで撮影終了としました。堤防の突端から停留所まで15分近くかかるので、時間には余裕を持って行動するようにしましょう。マジ暗いので、スマホのライトで照らすとちょっと安心かも。
上でも書きましたが、夜の時間帯だとバスが1時間に1本なので、これを逃すとなにもないところで1時間過ごすことになります。なお、ここから新木場駅まで歩いた場合、大人の足で50分ですが、夜だと1時間近くかかるかも。

潮の満ち引きに要注意。暗がりでは足元に注意

そんな東京ゲートブリッジでの撮影ですが、場所としては若洲海浜公園ということで、ほぼ海です。
歩道を挟んだ土手の上でも撮れますが、海岸に置かれたテトラポッドの上から撮れば、釣り人などが写らない、ダイナミックな写真が撮れます。
しかし、ここで気をつけないといけないのは、ここが海だということ。そう、潮の満ち引きに要注意です。テトラポッドに上がるときは何でもなかった場所が、降りようとしたら潮が満ちてきてびちょびちょ、なんてことが普通にありえます。台風の季節はいわずもがな。潮の満ち引きまで調べてからとまでは言いませんが、街灯がかなり少ないので、 足元には十分気を付けてください。

特に、夜景を撮ろうと考えている場合は要注意です。撮る分には余計な明かりが少ないので好都合ではあるんですが、街灯が少ないというのは思いのほか暗いです。転倒して機材を壊してしまったり、なにより怪我をしたら大変です。安全で楽しいカメラライフを。では。

撮影DATA BOX

名称東京ゲートブリッジ
住所東京都江東区若洲
アクセスJR京葉線・地下鉄有楽町線・りんかい線「新木場」駅から 
都バス「木11系統」で若洲キャンプ場行き終点「若洲キャンプ場前」下車
定休日なし
料金通行無料
若洲海浜公園駐車場を使う場合、1日1回500円
※駐車場は第3火曜日を除く火曜日(祝日にあたる場合は翌水曜日)休み
備考三脚・リモートレリーズ使用可
満潮注意
歩道通行時間は午前10時から午後5時まで
ただし夏期(7月1日~9月30日)の金・土曜日は午前10時から午後8時まで(最終入場は午後7時30分まで)
本記事の
使用機材
Canon EOS 7D MarkII
Sigma 10-20mm EX DC HSM
Canon EF24-105mm F4L USM
Canon EF70-200mm F2.8L II IS USM