紅白の中継にも使われた本棚劇場を魚眼レンズで撮ってみた
早くも聖地に? 隈研吾が手掛けた角川武蔵野ミュージアム
昨年末に放送された第71回NHK紅白歌合戦。コロナ禍でNHKホール以外からの中継放送が多かったのですが、YOASOBIの中継は反響を呼びました。
暗く落とされた照明の中、アーティストを取り巻くようにそそり立つ本棚。足元にまで本が所狭しと置かれた、情報量の多い背景で歌うさまはなかなかに壮観な眺めでした。
あの中継場所は、「角川武蔵野ミュージアム」。
東所沢にあった浄水施設「所沢浄水センター」跡地に建設された、KADOKAWAグループの拠点のひとつです。
新国立競技場などを設計した建築家・隈研吾が手掛けた角川武蔵野ミュージアムはまるで岩塊のようで、前衛芸術のような威容を誇ります。
本棚劇場とは?
そして、YOASOBIの中継に使用されたのは、建物の4~5階にある「本棚劇場」という場所です。基本的には図書館という体裁になっており、角川グループの創始者、角川 源義氏の蔵書のほか、数人の著名人がセレクトした本が置かれています。
図書館は普通、不要不急の音は厳禁ですが、ここは基本「ミュージアム」。つまり本の博物館という性格の施設のため、カメラによる撮影が可能です(動画撮影は不可)。
5階~6階を吹き抜ける、高さ8メートルの壁には「どう考えてもそれ取れないだろ」という高さまで本が本棚にしまわれており「これ、今地震きたらどうしよ」と余計なことを考えてしまうほどの光景が広がっています。
吹き抜けスペースの周囲を本が360°を取り巻いているというのを知ったとき、これは魚眼レンズ向きだなと思っていました。で、魚眼レンズを手に入れたのと、公式サイトのFAQに「撮影OK」とあったので撮りに行ってきました。
高さ8メートルの壁を埋め尽くす本の群れ
本棚劇場はあくまでこの吹き抜け部分の名称で、その手前にはエディットタウン、荒俣ワンダー秘宝館(エロアイテムはないタイプの秘宝館です)という名前の企画図書スペースがあり、その奥に本棚劇場という名のスペースがあるというかたちです。
で、足を踏み入れた第一印象は「あれ、けっこう狭い?」でした。
2階分なので高さは相当なものですが、実は床面積はそこまで広くないようで、超広角レンズを使ってもここの迫力を撮るのは難しそう。最新のiPhoneなど一部のスマートフォンには35mm換算で12mmクラスの超広角レンズを装備していますが、それでもかんたんじゃないなと思いました。
実際に16mmレンズで撮った写真がこちら。
ちなみにここ、人間の目にはそほど暗く見えませんが実はそこそこ暗いのでISO3200~ISO4000くらいにして、それでもF4絞りでシャッタースピードは1/60くらいになりました。超広角レンズ、かつ手ブレ補正まで備えたレンズなので原理的には1/4くらいまで手ブレの心配はありませんが、ブレちゃうとイヤなのでISO感度高めにしています。フルサイズセンサー万歳。
けっこうイケてるやん? と思われるかもしれませんが、実際はこんなもんじゃありません。思った以上に8mというのは高いもので、その壁一面どころか4面すべてに本が並べられているというのは思った以上に壮観です。
で、対角魚眼レンズで撮ったのがこちら。
すっげ。魚眼レンズマジすっげ。
魚眼レンズだと周辺が外側に膨らむので広々として見えますが、実際はここまで広くは感じないと思います。ちなみに、壁の途中に通路が2本ありますが、ここはスタッフオンリーなのでお客さんは入れません。
建設中にこの本棚劇場の完成予想図を見た時に「いやこれスカートの人行けなくね?」と思ったものですが、その心配は不要です。
サブカルっぽさは意外と薄め。ただショップやエンタメも手薄
というわけで、「所沢サクラタウン」の角川武蔵野ミュージアムに本棚劇場を撮りに行ってきたわけですが、ミュージアム以外にもカフェやショップ、レストランなどがあります。ただ、ショップといってもラインナップはいまいち弱いので、一般的なショッピングが楽しめるとは言い難いです。お台場のアクアシティみたいなところを想像していくと痛い目に遭いますw
また、所沢とはいっても東所沢という、駅前に駅ビルひとつないひなびた駅から歩いて10分くらいの場所なので、わりとマジでここを楽しむために来ないとならないと思います。
ただ、KADOKAWAとはいえいかにもアニメアニメした場所というわけでもないので、サブカルにあまり興味がない人でもギリ楽しめるとは思います。・・・いや、荒俣宏もサブカルっちゃサブカルだからやや難易度高いのかな・・・。
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