キッコーマンアリーナよいとこ、一度はおいで
V-LEAGUE Division2に所属している千葉エンゼルクロス(旧称:柏エンゼルクロス)のホームアリーナはこれまでずっと柏市中央体育館でした。母体となる天宣会の病院がほど近くにあること、なにより柏市の名前を冠していることからそうだったんだと思いますが、2020年はその柏市中央体育館が改修工事中だったため、千葉県流山市にある流山市民総合体育館をホームアリーナとしていました。
まだできたばかりで小綺麗なのと、つくばエクスプレス「流山セントラルパーク駅」から歩いてすぐというアクセスの良さが特長です(そもそも流山セントラルパーク駅がアクセスよくないのは見なかったことに)。なお、ネーミングライツを採用しており、2022年現在はキッコーマンアリーナを名乗っています。
そのキッコーマンアリーナでの初戦が行われたのでさっそく行ってきました。
この日のカードは、
第1試合「千葉エンゼルクロス」vs「フォレストリーヴス熊本」
第2試合「大野石油広島オイラーズ」vs「プレステージ・インターナショナルアランマーレ」
第1試合:ホームの千葉が熊本を寄せ付けず完勝
ホームゲームを勝利で飾りたい柏エンゼルクロスと、そろそろ初勝利が欲しいフォレストリーヴズ熊本との対戦は、結果から先に書くと柏エンゼルクロスがストレートで勝ちを収めました。
千葉エンゼルクロスは、最終順位こそ毎年下から数えたほうが早いは早いんですが、奇をてらわないスタンダードなバレーボールを展開するチームで、決して弱いわけではありません。実際、2015年のV-サマーリーグではNECや上尾といった地力のあるチームを抑えて3位に輝いています。ルーキーテストの感もあるサマーリーグでの順位であることを差し引いて考える必要はありますが・・・。
今回、勝利はおろかセットも奪えなかった熊本ですが、1セット目は後半まで柏に食らいついていて、そこそこ競れていたんですが、終盤に乱れてセットを落とし、そこからはさくさくとセットを落として終わってみればストレート負け。
やはりこのチーム、レセプションとサーブが弱すぎます。
攻撃の起点となるレセプション(サーブレシーブ)の安定がなくては、ゲームメイクもなにもないわけですが、常に対戦相手よりサーブレシーブ成功率が低く、過半数のゲームで50%を下回っています。
サーブで攻められていないのは、サーブレシーブ成功率が常に負けている原因でもあります。山なりのフローターサーブで勝負になると思ってるなら大間違いです。ジャンプフローターサーブの習得にしっかり取り組んでもらいたいと思います。
そんな中ひとり気を吐いているのが、この試合でもアタック決定率41.4%、レセプション成功率58.6%という数字もさることながら、ディグでもかなりの貢献を見せた白岩蘭奈選手。ディグのスコアは公式帳票に残らないんですが、彼女のディグに何度救われたか。成功率が低かったジャンプサーブを封印し、ジャンプフローターに取り組んでいるのも、なんとかチームに貢献したい、一勝を挙げたいという気持ちの現われかなと思います。
これまでのゲームでは、主にライト側からスパイクを打つことが多かったんですが、トスがばらけることもあって非常に打ちにくそうにしていました。それもあってか今日の試合ではほぼレフトから打っており、どかどか点を稼いでいました。
とはいえ多少優秀でもそれが一人では勝てないのがバレーボールという競技。
チーム全体でもっとサーブレシーブを磨き、攻めのサーブで相手を崩して歓喜の勝利を一日も早く手にして欲しいですね。実質参入1年目(2年のブランクを経ての再参入)からがんがん勝っていたチームはあんまり記憶にないので、粘り強く経験を積んでいくほかに強くなる近道はありません。
ライトからの攻撃については、セッターの技量も不足気味で、試合前の公式練習でもトスの質が安定していないせいか各スパイカーとも合わせるのにいっぱいという感じを受けました。
確かこのチーム、Vリーグ再編でDivision制になったときにV1に上がることが内定していながら、親会社の業績不振から一転Vリーグ機構から一時退社するという不運がありました。それがなければDivision1にいたはずなんですが、似た経緯でDivision1に上がったKUROBEアクアフェアリーズの苦境を見る限り、仮にあのとき上に上がっていても似た境遇になっていた可能性は高かったんじゃないでしょうか。
千葉エンゼルクロスにとっては、ホームゲームで嬉しい一勝となっています。やはりホームだと知った顔も多いようで、選手もスタンドを見て笑ったり手を振ったりしていました。
第2試合はプレステージがフルセットの接戦を制する
大野石油広島オイラーズ 2-3 プレステージ・インターナショナルアランマーレ
比較的戦力が安定している大野石油と、毎年けっこう出入りの激しいプレステージの1戦は、プレステージがフルセットの激闘を制してリーグ2位の座をキープしました。
大野石油はDivision2の9チーム中、結果だけを見ればまだ勝利のない熊本の真上、わずか1勝しかあげられていないのですが、ここまでの5試合すべてで勝ち点を取っています。4回の敗戦すべてがフルセット負けと、どこと戦っても通用する強さと、ここぞというところを取れない勝負弱さが共存するチームです。なんか数年前の日立リヴァーレがそんなだったな。
序盤は大野石油のライト、左利きの佐藤愛美選手(9)がいい感じで点を挙げていたのですが、ブロックが修正されて彼女が徐々に攻略されていくと辛くなり、決めきれずにラリーが続き、最終的にポイントを落とすという展開に。
対するプレステージも、絶対的エースと呼べる選手がいない中、トスをうまく散らして試合の中で調子のいい選手に託すかたちで得点を稼いでいた印象です。
このへんDivision2のつらいところですね。そもそも高さのある選手自体が少なく、160cm台のスパイカーがごろごろいるのがDivision2だったりするので、頭一つ抜けたエースがいないチームは、その日調子がいい選手をいかに見つけ出すかがカギになっています。
2階席で写真撮影をするなら○○○は避けろ!
そんなキッコーマンアリーナは、まだ新しい体育館であるため、設備は整っています。照明も安定していて、高速連写をしても色転びや明滅差が発生しづらいのはナイスです。
ただ、それでもうーんなポイントはありまして、ひとつめはわずかに暗いこと。会場として照度が何ルクス以上というような規定はあるはずなので、そんなにめちゃめちゃ暗いわけではないのですが・・・。
このコロナなご時世だからなのか、この会場、1階席がないんですね。
観客はもれなく2階席になります。なので、基本的にコートがやや遠いので、望遠レンズは最低200mm、できれば300mmまであるといいかなと思います。
もっともこれは、2階席で観戦する時はどこの会場でも同じで、キッコーマンアリーナだけがそうだというわけではありません。
そして2つ目のうーんポイント。こっちはちょっと深刻です。撮影することが目的のひとつであるなら絶対に避けておきたいポイントです。
それは、「座席が1列目と2列目の場合、手すりが猛烈に写り込む」ということ。
撮影をする人は誰しも思うことですが、目の前は開けている方がいいに決まってます。仕方がないことですが、一つ前の列に座高が高い大柄な方が座っている場合、どうしてもその方の後頭部が写りこみがちです。なので、できるだけ前の列を取りたいというのは人情なんですが、ここの2階席には手すりというものがありまして、1列目と2列目からコートを撮ろうとするとこの手すりが写りこみやすいです。特に、1列目からだと手すりと手すりの隙間から取るようなかたちになり、アングルの自由度がほとんどありません。マジどうしようかと思いました。
なので、キッコーマンアリーナで撮影を楽しみたい方は、悪いことはいわないので席は3列目以降を確保するようにしましょう。
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