ついにブロッカーがいなくなった? 新戦術「ハイブリッド6」
なんていうか、毎回なんかしらの名前をつけた戦術を期待されているようでちょっと気の毒な全日本女子バレーボールチーム。
去年は、現在世界の常識となっているミドルブロッカー2人体制のうち片方をウィングスパイカーに置き換え、攻撃の多彩さで高さのなさを補うという「MB1」でグラチャンのメダルを勝ち取ったわけですが、あれさえも過渡期に過ぎなかったことが明らかになりました。
それが、先日真鍋監督が公開した「ハイブリッド6」という戦術。
どのような戦術か、ものすごくざっくり言うと
「セッターとスパイカーだけで変幻自在のバレーをするぜ戦術」です。
今日開幕した、ワールドグランプリ決勝ラウンドの日本vsロシア戦。
スターティングメンバーは、
・宮下遥(セッター)
・木村沙織(ウィングスパイカー)
・石井優希(ウィングスパイカー)
・新鍋理沙(ウィングスパイカー)
・江畑幸子(ウィングスパイカー)
・石田瑞穂(ウィングスパイカー)
+佐野優子(リベロ)
と、去年のMB1のときはそれでも一人はいたミドルブロッカーがいません。
それどころか、ベンチ入りメンバーにミドルブロッカーは大野果歩しかいません。
山口舞は、岡山シーガルズではミドルブロッカーですが日本代表のときはライトアタッカーなので。
そして、その時その時で宮下が、石井が、木村が、新鍋がブロッカーになり、攻撃となれば全方位からスパイカーが走り込んでくるという、なんていうか、マンガみたいなバレーボールがハイブリッド6です。
見ようによっては、ついに真鍋監督が日本のミドルブロッカーを見限ったとも言えるんですが、ぶっちゃけ、宮下も中道もミドルブロッカーを使いこなすのがうまいとは言い難いところがあり、また、攻撃面で特に抜けたミドルブロッカーもいない現状では、ディグ(スパイクレシーブ)を磨き、スパイクコースを絞るブロッキングで、キルブロックが取れない現状を乗り越えようというのがこの戦術の狙いなのだと思います。
この、秀でた高さのない中学・高校の部活レベルならまだしもワールドクラスではついぞない戦術に対応しきれなかったのか、初戦となったロシア戦をセットカウント3-1で勝利。
また、トルコvsブラジル戦では、世界女王ブラジルがフルセットの末敗れるという波乱が起きています。
常に新しい戦術で頂点を目指す日本代表、明日の2戦目は、初戦でブラジルを破り勢いに乗るトルコ。
高さとうまさを兼ね備えた難敵相手にどう戦うか、見ものです。
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